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【本谷有希子さん著】第7回大江健三郎賞受賞「嵐のピクニック」を読んだ感想

この記事では本谷有希子さん著、第7回大江健三郎賞を受賞の「嵐のピクニック」を読んだ感想を紹介します。皆さんご存知かもしれませんが、セブンルールというドキュメンタリーのテレビにでていて作家と知って気になっていた方です。

 

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13の短編が集まってできている本

この本は、短編集となっていました。13のお話が書かれています。短編って読みやすいから他の本と並行して読むと楽しいです。

本の題名「嵐のピクニック」という題目の短編は書かれていませんでした。物語の中には、嵐にまつわるお話や、ピクニックシートのお話もあるので、この短編をまとめた本の名前が「嵐のピクニック」なんだとわかりました!

「哀しみのウェイトトレーニング」

私にとって、「哀しみのウェイトトレーニング」というお話が衝撃的でした。衝撃というか、なじみがなさすぎて驚いた、という感じです!

無関心な夫を振り向かせようと、妻がボディビルのトレーニングをしているけど、いっこうに夫は気が付かない。悲しすぎる!髪を切っていないのに、髪切ったんだよという妻に「似合っている」と答える夫。

夫!ひどすぎる~!気が付けよ~!

 

「亡霊病」

ありそうでなさそうなお話の「亡霊病」が怖かったです!

人生で一番幸せかもしれない時に発症することが多い病気。主人公は、コンクールの贈呈式の最中に発症してしまう。症状が人間離れしていて、「自分じゃない感覚」になることが発症の合図で、手とか腕とかが自分の思い通りでは動かない。それが全身に広がって行って、恐らく脳まで支配されて最後は消えてしまう。

歩くことができなくなるけど、浮いて移動する、性格が変わって穏やかな人も暴言を吐きつくして、周りの人に修復できない傷を残す。

人生で一番幸せなときに発症するのが悲しいです。幸せを感じないなければ発症しないんだろうけど、やっぱり幸せは感じたいですよね~。

なんて恐ろしい病気なんだ~~!!

「パプリカ次郎」「タイフーン」

私はファンタジーが好きなので、「パプリカ次郎」と、「タイフーン」がお気に入りです。「パプリカ次郎」ははじめ訳が分からなかったけど実は深い物語でした。

おじいちゃんと屋台をしているパプリカ次郎はときどき現れて、露店をめちゃくちゃにして暴れて、風のように去っていく集団に困っていた。おじいちゃんはその集団の流れ弾に当たってしまう。パプリカ次郎はその集団がなんでそんな事をするのか突き止めようとする。

なんでそんなことするの?って思っても聞けない事ありますよね~。私は聞けそうな人だったらなんで?って聞いちゃいます。意外と理由を聞いてもあまり意味がないこともありますね~。

「タイフーン」はたぶんこの本で一番短い短編で、嵐の日に少年があやしいおじさんに話しかけられる。あやしいクッキーをもらって、おじさんと話をする。嵐なのに傘をさして歩いているサラリーマン。なんで嵐なのにわざわざ外出して、

おじさんは、サラリーマンの傘がひっくり返る瞬間をカウントして、ぴったり当てる。そこから少年のおじさんに対する目が変わって話にのめり込む。

このお話は、ただ単に傘がひっくり返るんではなかったんです!空には傘を持って飛ぶことに成功した人たちが漂っていたんです!

私は頭で絵が浮かんで、これを読んですごくわくわくしました!いったい何のために飛ぶんだろう。空には何があるのかなぁ。

 ラピュタにいけるのかも??

おわりに

本の表紙の題名や、著者の名前の文字が躍っています。なんかかわいいです!

13のお話はジャンルが色々で楽しめました。短いお話なのにすごく心に残ったりします。しもやけになった指をくっつけようとする女とか。普通の話はこの本にはないので楽しく読めますよ!

 

 

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