いしいしんじさん著「その場小説」を読んだ感想
この記事ではいしいしんじさん著「その場小説」を読んだ感想を紹介します。
「その場小説」とは
催し会場で 即興で小説を書くことを「その場小説」というようで、いしいさんが呼ばれて行った各地でお客さんを目の前に真新しい小説を書いてできあがったのを集めた本が「その場小説」となったようです。
第一話から第五十四話まであります。1つのお話は4~7ページくらいがほとんどで、長いお話で15ページくらいです。
日本の未来には本屋がなくなる?
第十話の「本」という題名のお話が好きです。青山ブックセンターで書かれたお話です。
小説では、
廃墟の町に青山バナナセンターや青山ボウリングセンター、青山BIRDセンターなどいろいろなお店がならんでいる。ある日、古めかしいワンピースを着た少女がよしもとばななの「彼女について」ありますか?とか、町田康の「告白」ありますか?「赤と黒」「人間失格」は?といろいろなお店で尋ねるけどそんなものは無い、といわれてしまう。ただ、一人の店員だけは妙な胸騒ぎにかられていた。。
続きが気になる~~ !
いや~なんだか映画になりそうな物語ですよね~。まず廃墟ってところが未来の日本?って思ってしまうし。日本に何が起こったの??って想像してしまったり。ほんの6ページくらいの物語に詰まっているものがたくさんある小説でした!
ぐらり、瓦礫、シーベルト、大波、蛍、光、ふるさと
2011年3月11日以降に書かれたその場小説には震災を連想させる言葉が並んでいました。「福島」という題名のお話もあったし。東北に心が向いていて、東北のことが頭から離れないって感じの小説になっていました。そりゃそうですよね。
さいごに
いしいしんじさんのお話はおもしろいです。物語なので現実にはない色々なことが起こります。気になった方はぜひ読んでみてください!