2016年本屋大賞受賞【宮下奈都さん著】「窓の向こうのガーシュウィン」を読んだ感想
この記事では宮下奈都さん著「窓の向こうのガーシュウィン」を読んだ感想を紹介します。本を読んでいて、感情をコトバにされると心をほじくられるときがあります。小説はそういうところが好きです。
主人公は団地に住んでいる女の子
主人公の女の子は、人と話をするときに語尾に雑音が入ってしまうのでうまく話が聞き取れない。自分には「何かが足りない」と思いながら夕方から働きに行く母と家出癖のある父と団地で暮らしている。高校卒業後、薬問屋に就職したが半年で倒産。自宅待機の期間にホームヘルパーの資格を取って派遣で働き始める。
なんて素直なんだろう!と思いました。そして冷静な女の子。もし、私の耳に雑音が入って聞き取れないって事が起こったらすっごく騒いで周りを巻き込んで人生の一大事にすると思うし、家庭環境も、不良とかになってもおかしくない環境なのに(私の思い込み?)全くグレたりしないですごいなぁ、と思って読んでいました。繊細だからきっとたくさん抱えているものもあるはずなのに前向きに頑張って生きているって感じがしました。
「ガーシュウィン」って?
ジョージ・ガーシュウィン(George Gershwin、1898年9月26日 - 1937年7月11日)は、アメリカの作曲家。本名、ジェイコブ・ガーショヴィッツ(Jacob Gershowitz)。ポピュラー音楽・クラシック音楽の両面で活躍しアメリカ音楽を作り上げた作曲家として知られる。通称『完璧な音楽家』。
引用元:Wikipedia/ジョージ・ガーシュウィン
作曲家なんですね~。全く知りませんでした!
「額装」で自分の心から感情が湧き出ることに気づく
横井先生のお宅がヘルパー先で、そこのお家で息子さんが額装屋さんをしているんです。それで女の子は額装に魅せられていきます。小さい時にいつも口ずさんでいた歌のジャケットが素敵に額装されたレコードのジャケットを見て、音楽が聞こえてきて、昔の楽しかった事を思い出した。佐古さん(女の子)は、額装から歌が聞こえると思っていたんです!
でも、自分の心で歌を歌ったりするのっていつからできていたんだろう、と思いました。繰り返し聞いた曲が頭から離れない、というのともちょっと違いますよね。感情が芽生えた瞬間を言葉にできるのはすごいと思いました!
自転車の名前は「ロドリゲス」
この本の中で、佐古さんがいつも乗っている自転車がでてくるんですけど、名前がついているんです。「ロドリゲス」と。
もう忘れていましたけど、私もいろんなものに変な名前つけていたことを思い出してニヤニヤしちゃいました。なんでか、外国の名前をつけるんですよね~
佐古さんは凍っている場の空気を変えたいときに、おいしいおやつの名前をつぶやいて、場を和ませる技を持っています。あぁ、素敵だなぁと思いました。私なら聞こえないふりをしてその場からいなくなっちゃいそう!
本当にあんころもちのような女の子だなぁ
おわりに
芸術作品をみて、歌が聞こえてきた!ってとても素敵ですよね~。そんな経験思い出せないです。でもきっとあったはず、あったと思いたい!嫌な事より感動したことをもっと覚えていたいですよね~。